協働感覚はなんとも形容しがたいが、1台4手、つまり1台のピアノを2人で弾く連弾の演奏感に似たものがあるかもしれない。タンデムの素晴らしさは、これに乗ったことのある人にしかわからない。タンデムで2人が分かち合えるものがどれだけ素晴らしいか、分かち合えるものを持ちたいと思わない人には、わからない。タンデムの代わりになるものはタンデム以外にありえない。タンデムに乗っていると驚くことは、スポーツサイクルにまったく興味のないような人でも、相当高い関心を示すということだ。
[参考]
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思わず笑いを誘い、ほのぼのとさせるものがあるのだろう。タンデムは一般にソロより登坂に弱いが、下りや平地はほぼ対等。向かい風の際はやや有利。前方投影面積はソロと大差ないのに、パワーは倍化するからである。しかしながら、私たちは、早く走りたいからタンデムに乗っているわけではない。2人でのんびりゆったり、たがいのペースを心配せずに走りたいがためにタンデムを使っているのだ。長距離ツーリングに出るカップルも同様らしく、平均速度は遅いようだ。またタンデムは相当全長が長いと思われているが、後席の乗車姿勢がソロに近いゆったりめのタンデムでも、一般的には全長約240〜250?前後である。クロスバイクやラッドナーが全長約170?前後であることを考えると、実は車輪ひとつ分くらい長いだけなのである。確かに回転半径はやや大きくなるが、私たちはそれほど不都合を感じたことはない。タンデムは、乗降手順や操舵感覚がソロとは若干異なり、ペダルも通常は同期しているため、たがいの呼吸を合わせることが必要となる。でもそこが醍醐味なのだ。特定のパートナーと経験を積むうちに、息の合った行動が可能になってくる。欧米でよく見られるように、日本でも熟年夫婦や老夫婦がタンデムで走り抜けていく風景を定着させたいものだ。なぜみんなタンデムにもっと乗りたがらないのか、私たちには不思議でならないのである。