水道水とホンモノの温泉は違う

2011.11.26

道後温泉本館の近所には「椿湯」という共同浴場があり、多くの地元の人は観光客でごった返す本館を避け、こちらに入る。私自身、地元密着の「椿湯」の方が好きだ。ところが、本館の脱衣所で取材をすると、ある地元の人は、以前は「椿湯」に通っていたが、塩素臭がひどいので本館に来ているという。実は前日「椿湯」に入浴していた私も、同じように感じていた。観光客が多く押し寄せる本館の方は、苦情を恐れて塩素濃度を下げ、ほとんど地元の人ばかりの「椿湯」はそのまま、ということかもしれない。

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私はレジオネラ菌そのものを憎まないように、塩素もそれ自体を全否定するつもりはない。水道水の塩素殺菌は、伝染病が広がりやすかったかつての水事情を大きく改善した。もちろん発癌性が指摘されるトリハロメタンを生成するなどの問題点もあるので、これに代わるより優れた物質や手段を望むことはいうまでもない。しかしそれでもなお、今日も一定の役割を果たしていることを否定しない。しかしホンモノの温泉においては、水道水と同じ事情ではない。